猿沢池は、日本三大名月鑑賞地の一つに数えられています。この猿沢池の西北の隅に鳥居を背にした珍しい神社があります。これが采女神社で『大和物語』によりますと「奈良時代に帝に仕えていた采女(後宮で帝の給仕をする女官の職名)が、帝のご寵愛が衰えたのを嘆いて猿沢池の池畔の柳に衣を掛け、入水したので、その霊を慰めるために社を建てた。しかし、采女は我が身を投じた池を見るにしのびないと一夜のうちに社を後ろ向きにした。」と伝えられています。午後5時から花扇奉納行列があり、秋の七草で美しく飾られた2m余りの花扇と数十人の稚児、御所車に乗った十二単姿の花扇使や姉妹都市 福島県郡山市から参加いただいているミスうねめ、ミス奈良などが天平衣装をまとって市内を練り歩きます。午後6時から春日大社神官による厳かな神事の後、花扇が奉納されます。午後7時 南都楽所の奏する雅楽が流れるなか、花扇をはじめ、花扇使・ミスうねめ・ミス奈良を乗せた2隻の管絃船(龍頭・鷁首)が、猿沢池に浮かぶ40余りの流し灯籠の間をぬって池をめぐり、最後には花扇を池中に投じる雅やかな行事です。仲秋の名月の夜、采女の霊を慰める行事がこの池で行われています。
【スケジュール】
17時 お渡り式 (JR奈良駅~猿沢池)
18時 采女神社例祭(うねめじんじゃれいさい)
19時 管絃船の儀(かんげんせんのぎ)・ 花扇奉納(はなおうぎほうのう)